磁気ディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、無反射ガラス(ノングレアガラス)、光学用レンズ、光源ユニット、各種ランプ用管、理化学実験用器具、フォトマスク基板、半導体用ボード・治具などに使用されている各種ガラス用エッチング剤です。
ガラスや金属面を腐蝕させて彫刻するエッチング剤は、劇物が使われていることが多く安全性に課題があった。(有)フロステック(福岡市)は、フッ酸などの劇物を一切使わない安全性の高いエッチング剤を開発、販売を本格化した。当エッチング剤は処理後に回収すれば何度でも再利用が可能なことも大きな特徴だ。
エッチング剤はガラス表面を彫刻するときに使われ、ヨーロッパなどでは芸術品ともいえるようなガラス工芸品が創作されている。しかしエッチング剤には劇物が含まれていることが多く、作業過程での安全性の配慮や環境への負荷など課題も多かった。
薬学博士号をもつ当社の代表は、ガラス・金属の表面処理剤を開発する目的で当社を設立し、初めて商品化したのがホビー用のガラスエッチング剤「グラスファンタジー」。当エッチング剤に含まれるフッ化水素アンモニウムは4%未満で、従来のものに比べて約1/5以下と極めて安全性が高く、においもないため、作業中の手袋などは不要で換気の必要もない。
(財)化学物質評価研究機構(東京)で実施した毒性試験で、安全性が厚生労働省に認められ、政令により劇物指定から除外されている。当薬剤はゲルタイプとリキッドタイプの2種類があるが、いずれも安定性がよく成分の結晶化がおこらないため、使用期間の制限もない。エッチング処理後に残った薬剤は何度でも再利用できるのも大きな特徴だ。加工面は非常になめらかで汚れもつきにくいなど、多くの優れた特性を持っていて、すでに日・米で特許を取得している。ソーダガラスのほか再生ガラス、クリスタルガラス、強化ガラス、耐熱ガラス、鏡のエッチングにも使用可能だ。
従来のマスキングシートやカッティングシートを切り抜いて使うマスキング手法の不便さを解消するため、ペンタイプのマスキングペンも独自に開発、手軽にエッチングを楽しむことが可能になった。
「『グラスファンタジー』は薄いガラスや局面のガラスにもエッチングできるのが特徴です。ステンレスやアルミニウムなどを気軽にエッチングできる金属用の『メタルファンタジー』も新たに開発しました。シルクスクリーン印刷と組み合わせることで大量生産にも対応できます。今後は工業用エッチング剤の開発にも注力していきます」と三輪博社長。